**ぼんばへとの出会い [#qddba2aa]  ''〜メルの日記より〜''~ &br; 暑い夏の日、わたしはいつものように東パーティ広場で何もすることなく座っていました。 リングメンバーもほとんどが引退・休止状態で誰もいないリング…。 銀さんも最近は浮気ばかりで全然わたしたちにかまってくれませんでした。 すると銀さんからリングチャットが送られてきたのです。 「メルさん…ちょっといいかな?」 いつもとは違った沈んだ声…わたしはその声に不安を感じながらも「なに?」と返事を返しました。 「今度、私の恋人に会って欲しいんだ…。」 まさか嫌な予感が当たるとは思いませんでした。 銀さんから送られてきた言葉は浮気相手に会って欲しいというもの…。 わたしは不安を隠しながら「なんで?」と聞き返しました。 「私は考えたんだ…メルさんを失うのも嫌だし、今の恋人を失うのも嫌だ。だから、みんなで一緒に暮らしたいんだ!」 わたしは驚きを隠せませんでした。 別れよう、とか、恋人のことは忘れる、とかなら分かるけど、まさか一緒に暮らそう、だとは思いませんでした。 そのまま銀さんは話し出しました。 「今日、光の塔で会う約束をしてるんだ。だからメルさんも一緒に来て欲しい。」 久しぶりの銀さんからダンジョンへのお誘い。 オープンβのころにリングのみんなで大陸や氷結に行った思い出が次々と溢れてきて涙ができました。 何ヶ月も待っていた言葉はわたしに辛い現実を教えてくれました。 でも、待ってるだけじゃ何も解決しない。 そう思い、わたしは未開の地モーグへ行くことに決めました。 初めてのモーグ…高低差のあるマップは新鮮で、来た理由を忘れ、わたしは心躍らせていました。 今思うと久々に銀さんと旅をしたからかもしれないけど… はしゃいでいるわたしに銀さんが声をかけました。 「光の塔はこっちだから、憑いてきて。」 その言葉はわたしを現実に戻しました。 うかれている場合じゃない、これから修羅場が待っているんだから。 高い、高い、光の塔。 そこには赤い名前の機械が沢山いて、これから起こることを暗示しているかのようでした。 広々とした部屋で銀さんは立ち止まり言いました。 「メルさん、着いたよ。ほら、あそこに居るのが会って欲しかった人達。」 わたしは恐る恐る近付きました。 すると、わたしのことをえっちぃ目で見ている人が言いました。 「お前がメルか。俺たちと一緒に暮らさないか?銀もそれを望んでる。」 わたしは答えられませんでした。 昔から居る銀さんのリング…そこには沢山の思い出があったから。 泣きそうになりながらうつむいていると、えろそうな人がわたしのお尻を凝視しながら言いました。 「よし、狩りをしよう。すべてはそれからだ。」 ずっとしていなかった多人数の狩り。 ――パーティのお誘いが来ています―― 懐かしさと、楽しさと、悲しさと、切なさと、、、 わたしは決心しました。 そして、わたしの胸をよだれを垂らしながら見ているえろそうな人に、 思いっきりビンタしました。 久しぶりの多人数狩り。 えろそうな人は反省したのか黙々と狩りを続けていました。 真っ赤な名前の敵をみんなで倒し、大きな中ボスも必死になって倒し、わたしは狩りに夢中になっていました。 すると突然ショートパンツが壊れてしまいました。 レベルに合わない敵の攻撃を受け続けて…分かっていたはずなのに… わたしは恥ずかしさのあまり、その場に座り込んでしまいました。 みんながわたしのことを心配してやさしい言葉をかけてくれました。 やさしい人達…面白いリング…わたしの心は揺らいでいました。 泣いているわたしにえろそうな人は上着をわたしにかけてくれ、言いました。 「パンツ最高ww」 血のついた手を拭い、わたしは今の気持ちをみんなに向かって言いました。 わたし、このリングに入ります。 銀さんや他の人も拍手で迎えてくれました。 顔の腫れ上がったえろそうな人も、うなずきながらわたしの前に手を出し言いました。 「揉ませろwwwww」 そしてわたしは新しいリング「ぼんばへ」のみんなと一緒にこれからの人生を過ごすことにしたのです。 ただひとつ、死体を残して。 &br; &br; ※昔のことはよく覚えていないので微妙に現実と違うことがあると思いますが気にしないでください。~

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